2025/11/29
11月28日(金)の営業日誌
今日の店は
冬の入り口らしい静けさをまとって始まった。
個室では
ワインをゆっくり傾けながら🍷
深く静かな会話が続いていく。
緩やかな温度だけが漂い、
その空気に呼応するように
カウンターにも人が流れ込んできた。
「こんなにライ系のバーボンを並べて飲んだの初めてですよ」
「イチローズのオロロソも面白いですね」
自由研究は、
その人の“知らなかった角度”を照らす灯りみたいなもので
味覚の中に新しい扉がひとつずつ開いていく音がした。
そして突然、
あの奇妙な話題が出る。
「この店といえば……GoogleのAIが生み出した“赤坂ニート・ハイボール”ですよね」
名物でもなんでもないのに、
もう“名物みたいな顔”をし始めているのがなんとも可笑しい。
⸻
自由研究が進むたび、
お客は皆、自分の“偏り”から少し解放されていく。
「家やフェスだと、自分の好きな方向に寄っちゃうので……
こうやって少しずつ試せるの、本当にありがたいんですよね。」
選択肢の多さは、人を迷わせるのではなく、
“自分の知らなかった自分” に出会わせるのかもしれない。
⸻
営業時間も終わりに近づいた頃、
またひとり、
会社の飲み会を終えたばかりの若い人が
疲れた足取りでカウンターに落ち着いた。
「同年代の飲み友達って全然いないんですよ」
「ここで20代の人に出会えるなんて……嬉しいです」
見知らぬ誰かと、
たまたま並んで座っただけなのに、
人はなぜかすぐ心を開くことがある。
バーという場所が持つ、不思議な作用だ。
そのうちに
いつも最後に出てくる“ラーメンの話題”になり、
空腹感だけが優しく残る。🍜
⸻
そして今日は、
未来の樽の話まで飛び出した。
「最近プライベートカスクの話をよく聞くんで……
もし面白い樽があれば、自分も出資しますよ。」
樽を“みんなで買う時代”が来るなんて、
10年前には想像もしなかった。
けれど、こうして自然に話題に上がるあたり、
ひとつの信頼が育っている証拠でもある。
⸻
最後に、
今日出会った2人が
ちょっと照れながら言葉を交わした。
「また会えたら嬉しいです。」
「赤坂だから来やすいし……本当に良かったです。」
こういう瞬間を見ると、
店は飲む場所ではなく、
“人生の季節が交差する場所” なんだと思う。
⸻
カウンターには馴染みの顔があり、
そこに新しい顔が静かに混ざっていく。
この“流れ”がある限り、
店はずっとゆっくり成長していくのだろう。
⸻
◆ 【お知らせ】
11月29日(土)
カウンターはご予約で満席です。
個室のみ空いております。
土曜日らしい、
平日とも少し違う“のんびりした時間の流れ”で
静かに飲みたい方は、
個室にてゆるりとお過ごしください。
お待ちしております。
2025/11/29
11月28日(金)の営業日誌
今日の店は
冬の入り口らしい静けさをまとって始まった。
個室では
ワインをゆっくり傾けながら🍷
深く静かな会話が続いていく。
緩やかな温度だけが漂い、
その空気に呼応するように
カウンターにも人が流れ込んできた。
「こんなにライ系のバーボンを並べて飲んだの初めてですよ」
「イチローズのオロロソも面白いですね」
自由研究は、
その人の“知らなかった角度”を照らす灯りみたいなもので
味覚の中に新しい扉がひとつずつ開いていく音がした。
そして突然、
あの奇妙な話題が出る。
「この店といえば……GoogleのAIが生み出した“赤坂ニート・ハイボール”ですよね」
名物でもなんでもないのに、
もう“名物みたいな顔”をし始めているのがなんとも可笑しい。
⸻
自由研究が進むたび、
お客は皆、自分の“偏り”から少し解放されていく。
「家やフェスだと、自分の好きな方向に寄っちゃうので……
こうやって少しずつ試せるの、本当にありがたいんですよね。」
選択肢の多さは、人を迷わせるのではなく、
“自分の知らなかった自分” に出会わせるのかもしれない。
⸻
営業時間も終わりに近づいた頃、
またひとり、
会社の飲み会を終えたばかりの若い人が
疲れた足取りでカウンターに落ち着いた。
「同年代の飲み友達って全然いないんですよ」
「ここで20代の人に出会えるなんて……嬉しいです」
見知らぬ誰かと、
たまたま並んで座っただけなのに、
人はなぜかすぐ心を開くことがある。
バーという場所が持つ、不思議な作用だ。
そのうちに
いつも最後に出てくる“ラーメンの話題”になり、
空腹感だけが優しく残る。🍜
⸻
そして今日は、
未来の樽の話まで飛び出した。
「最近プライベートカスクの話をよく聞くんで……
もし面白い樽があれば、自分も出資しますよ。」
樽を“みんなで買う時代”が来るなんて、
10年前には想像もしなかった。
けれど、こうして自然に話題に上がるあたり、
ひとつの信頼が育っている証拠でもある。
⸻
最後に、
今日出会った2人が
ちょっと照れながら言葉を交わした。
「また会えたら嬉しいです。」
「赤坂だから来やすいし……本当に良かったです。」
こういう瞬間を見ると、
店は飲む場所ではなく、
“人生の季節が交差する場所” なんだと思う。
⸻
カウンターには馴染みの顔があり、
そこに新しい顔が静かに混ざっていく。
この“流れ”がある限り、
店はずっとゆっくり成長していくのだろう。
⸻
◆ 【お知らせ】
11月29日(土)
カウンターはご予約で満席です。
個室のみ空いております。
土曜日らしい、
平日とも少し違う“のんびりした時間の流れ”で
静かに飲みたい方は、
個室にてゆるりとお過ごしください。
お待ちしております。
2025/11/28
11月27日(木)の営業日誌
~2025/11/27(木)のハイライト~
今日のカウンターは、
静かに始まり、思いがけず深いところへ沈んでいく一日だった。
開店してすぐ、ふらりと現れたのは
ある蒸溜所の設立者。
肩書きをひけらかすでもなく、
ただ一杯を楽しむように腰を下ろし、
そこから小さなセミナーのような時間が流れ始めた。
ワイン樽の呼吸と木目の癖。
醸造の微細な温度。
北海道の冬道で、
「車がスリップしてハンドルが効かない時があるんだ」と語る独特の感覚。
その話はどれも、
液体の向こう側にある“土地”や“時間”の匂いがした。
気づけば、カウンターにいた三人全員が
静かにその世界に連れ込まれていた。
やがて会話はいつもの自由研究へと戻り
別のお客様が笑いながら扉を開けた。
「まさか週3回来るとは思ってませんでしたよ。
先輩に連れてこられた最初の日から、
なんだか“続きが気になる店”で…」
今日はその人の提案で、
“家で飲めるピートウイスキーの比較回”。
自分でテーマを持ってくる自由研究は、
やっぱりその人の生活や癖がそのまま現れて面白い。
途中、電話が鳴り、
個室とカウンターに予約が重なる。
しっとりと会話だけが流れていき、
世界線は違えど、
どの席にも同じ“余白”が漂っていた。
最近とくに、
来店前から自由研究のテーマを決めてくる人が増えている。
「今日はアランを飲み比べる日」
「嘉之助で旅をしてみよう」
「イチローズモルト祭りだ」
気づけば、
自由研究という名前が、
ただのプランではなく“思考のスタイル”になりはじめている。
研究には、
必ず“仮説”と“検証”がある。
今日のテーマを決めるという行為は、
お客さん自身が“自分の味覚の旅路”に仮説を置いて、
それを確かめに来ているということなのかもしれない。
そう思うと、
バーという場所はただ酒を飲む場所ではなく、
“自分の興味に正直になれる場所”なのだと
静かに腑に落ちた。
⸻
◆ 2025/11/28(金)
カウンターは
🈳6席のみ。
静かな華金を過ごしたい人にこそ、
今日のラシュランはちょうどいい。
しっとり、のんびり、
ウイスキーを片手に自由研究の続きを楽しみに来てください。
カウンターにてお待ちしております。
2025/11/27
2025/11/26 営業日誌
◆ 今日のハイライト──静けさと余白に満ちたカウンターで
今夜のカウンターは、
いつもの顔ぶれがふらりと集まり
まるで“物語の続き”を開くように席に着いた。
早い時間帯のゆったりとした流れ。
こちらの呼吸に合わせるように
お客さんも静かに、穏やかに時間をほどいていく。
個室では自由研究が進み
カウンターでは濃い時間が育つ。
同じ店なのに、
それぞれの席がまったく違う物語を生きているのが面白い。
「二日連続で来たので…今日はアランに挑戦してみようか」
「もう、ここは思い切っておまかせで」
そんな言葉が自然と出てくるのは
少しずつ、信頼というものが積もってきた証なんだと思う。
揚げ物の大盛りも、いつの間にか“おなじみ”。
ウイスキーとの相性は言うまでもなく
お腹でも心でも、この店は人をあたためる。
そして、新しい発見に出会う瞬間もあった。
「アランのピーテッド…これはガツンと来て美味しい」
そんな一言が、静かな夜に小さな灯りをともす。
入れ違いで、11周年の祝いに駆けつけてくれた常連もいた。
「いつもお世話になってるから」と
大切な葉巻を手渡してくれる。
こういう瞬間は、感謝の言葉だけでは追いつかない。
「買うからさ、その前にちょっと11周年ボトル飲ませて」
スペイバーンを口に含んだあと
「いいな、これ…葉巻に合うわ」と静かに目を細める。
フェッターケアンも、ゴーストシリーズの津貫も、
その人の人生の中に“この店で飲んだ時間”として刻まれていく。
カウンターには、ただ穏やかな空気だけが流れていた。
顔なじみたちと交わす会話は、
まるで誰かの人生の続きを一緒に眺めるような感覚だった。
こんな夜が、続いていけばいい。
そう思いながらも
新しい出会いへの期待もどこかで静かに膨らんでいる。
明日は予約ゼロ。
だからこそ、今日みたいな偶然が
またそっと扉を開けてくれるかもしれない。
そう思うだけで、
少しだけ胸が軽くなる。
今日の営業は、ここで静かに幕を下ろす。
2025/11/25
当店プライベートボトルの在庫状況
✦ 当店PBボトル在庫状況🥃✦
今、棚の奥で静かに出番を待っているPBボトルたちの在庫
・スペイバーン 残り55本
・アラン26年 残り2本
・アラン27年(バーボン) 残り19本
・アラン27年(赤ワイン) 残り40本
・長濱蒸溜所PB 88本
・KOVAL(ラスト1本)
・ダルユーインPX(ラスト1本)
どれも、ただのウイスキーではなく、
この11年間の“もうひとつの物語”の断片です。
試して、迷って、じっくり選んでください。
カウンターでの時間こそが、ボトルの一番いい“試運転”になります。
「ウイスキー自由研究プラン」は、
いろんな樽を比べて、香りの違いを確かめて、
心が反応した1本を見つけるための小さな旅みたいなもの。
気に入っていただける一本が見つかったなら、
その瞬間の“発見”ごと、お持ち帰りいただけたら嬉しいです。
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